EOS R、Z6、α7Ⅲの新世代フルサイズミラーレスを比較レビュー スペックや実機を触っての感想も

2018/09/11  by だい

こんにちわ、オタクライターのだいです。

キヤノン、ニコン、ソニーのフルサイズミラーレス戦国時代へと入ってきました! 2013年11月からフルサイズミラーレスを発売しているソニーαシリーズ、2018年9月、ほぼ同時期に発表されたキヤノンEOS R、そしてニコンZ7 / Z6です。

Canon EOS R
出典:https://cweb.canon.jp/eos/lineup/r/

Nikon Z6
出典:http://www.nikon-image.com/products/mirrorless/lineup/z_6/

SONY α7m3
出典:https://www.sony.jp/ichigan/products/ILCE-7M3/

そこで、カメラのスペックと、実際に全機種に触れてきた筆者が重視したい点を中心に、3機種EOS R、Z6、α7m3の比較を行います。ちなみに筆者はZ6ではなくZ7を触っていますので注意を(Z7とZ6は画素数は違えど基本的にほぼ同じ感触ということで……)。

EOS R、Z6、α7m3のスペック比較

カメラ名 EOS R Z6 α7m3
レンズマウント キヤノン RFマウント ニコン Zマウント α Eマウント
マウント径 54mm 55mm 46mm
フランジバック 20mm 16mm 18mm
センサー フルサイズCMOS フルサイズCMOS
裏面照射型
フルサイズCMOS
裏面照射型
画像処理エンジン DIGIC 8 EXPEED 6 BIONZ X
フロントエンドLSI
有効画素数 3030万有効画素 2450万有効画素 2420万有効画素
ローパスフィルター
ボディ内手ぶれ補正 なし 5.0段分 5.0段分
常用ISO感度 100-40000 100-51200 100-51200
拡張ISO感度 50-102400 50-204800 50-204800
記録フォーマット JPEG
RAW
JPEG
RAW
TIFF
JPEG
RAW
記録媒体 SDカード×1 XQDカード×1 SDカード×2
連写 8コマ/秒 12コマ/秒 10コマ/秒
連続撮影枚数 RAW約34枚 RAW約35枚 RAW約40枚
SS 1/8000-30秒 1/8000-30秒 1/8000-30秒
測距点 5655点 273点 693点
測距輝度EV -6〜18 -4〜19 -3〜20
ファインダー形式 有機ELカラー Quad-VGA OLED XGA OLED Tru-Finder
視野率 100%
0.76倍
100%
0.80倍
100%
0.78倍
モニタサイズ 3.15インチ
210万ドット
3.2インチ
210万ドット
3インチ
92.16万ドット
可動式モニタ バリアングル チルト チルト
フラッシュ同調 1/200秒 1/200秒 1/250秒
顔認識AF
瞳AF
USB充電
防塵・防滴 配慮した構造
撮影枚数 約370枚 モニタ約380枚
ファインダー約310枚
モニタ約710枚
ファインダー約610枚
動画記録方式 4K/フルHD/HD 4KUHD/フルHD 4K/フルHD/HD
質量 580g
電池・カード込で660g
585g
電池・カード込で675g
565g
電池・カード込で650g
サイズ 135.8mm
98.3mm
84.4mm
134mm
100.5mm
67.5mm
126.9mm
95.6mm
73.7mm
価格(9月12日の時点) 23万7500円
(キヤノンオンライン参考価格)
25万円
(価格.com最安値)
21万円
(価格.com最安値)

 
スペックを比較したときに注目した点は、画素数ボディ内手ブレ補正記録媒体測距点(AFエリア)、測距輝度(AF検出範囲)、モニタ瞳AF撮影枚数です。

画素数はEOS Rがトップ。あくまでEOS RがZ6やα7m3のライバル機であると考えた場合ですが、少なからずここは大きな魅力になると思います。一方でボディ内手ブレ補正はない(レンズによる)ので、個人的にはちょっと画素数が多い分辛さを感じる部分でもあります。



Canon EOS R
記録媒体は、EOS RがシングルSDカードZ6がシングルXQDカードα7m3がデュアルSDカード。撮影のリスク軽減やコストの面を考えると、XQDカードのみのZ6が一番使いづらさを感じます

Nikon Z7
とはいえ、SDカードも含めて保存できなくてエラーが出たことはあっても、データがすべて消えてしまったような事故は未経験なので、シングルスロットでもそこまで大きな問題とは感じていません。XQDカードの値段の高さのほうが問題です……。



ホディ内手ブレ補正についてですが、Z7に触れた際にしっかりと手ブレ補正が効くかのチェックをし忘れたこともあって、α7m3とどっちがいいかは判別し辛いです。ただ、EOS Rはボディ内手ブレ補正はない感じ(レンズによる)ので、手ブレの分キヤノンはやや劣勢にも感じます。ただミラーレス化して軽量化された分、今まで以上に手ブレがなくなるとは思うので、それは大きなメリットだと思います。



測距点ですが、EOS Rが最大5655点と異常な数値を出しています。逆にここまで必要か? と思うくらい。まあ、あるに越したことはありません。また測距輝度ですが、EOS Rが低輝度合焦限界EV−6と世界初のAF性能を達成(F1.2の時)したので、真っ暗な場面でも撮影がしやすくなったのは大きいです。



モニタですが、サイズはややα7m3が小さめ。そしてEOS Rがバリアングル式Z6とα7m3がチルト式です。個人的にα7m3のモニタは小さくて見づらさを感じます。フルサイズミラーレスでは初めて? のバリアングルということで求めていた人が多いと思うのですが、個人的にはチルト派。カメラを持ち上げて撮影したり、しゃがんで下に配置して撮影することが多いので、バリアングルの場合どうしても手間だと思ってしまいます(左側に開く+モニタ回転するの2動作必要)。



瞳AFですが、Z6のみついていません。瞳AFを熱望する人は残念……と感じるとは思いますが、筆者は顔認証がしっかりと出来ていると感じているので、そこまで問題とは思いません。



撮影枚数ですが、EOS RとZ6が最大で約400枚に対して、α7m3は最大約700枚です。これほど差が出ると、α7m3が一番いいなぁと感じてしまいます。

筆者の視点から見た、EOS R、Z6、α7m3

スペックを比較すると、半年前に発売されたα7m3が全体的に上回っているように感じます。……が、それ以外に筆者なりの視点で書いてみます。
 

<持ちやすさ>

Canon EOS R
質量やサイズも大事ですが、筆者が重視したいのはグリップの大きさや小指もグリップに収まるかどうか。α7m3に限らず、αシリーズはどうしても小指が余ってしまい、持つときに違和感を感じてしまいます。その点、EOS RとZ6(Z7)は小指が余ることなく、ホールドも見事でした。特にEOS Rは約1.5キロのレンズをつけたのですが、大きさの割に軽く感じました。これも持ちやすさがいいからだと思います。
Nikon Z7


<壊れやすさ>

何度も書いていますが、筆者はカメラをよく壊してしまいます。過去にαシリーズを2つ、ソニーコンパクトデジカメを動作不良で修理に出している経験があり、どうしても壊れやすく感じます。一方でニコンは累計で5年以上使ってきていますが、ボディの故障は一度もありません。キヤノンについてもかなり無茶させながらも壊れなかったという話を聞いているので、こちらも壊れにくいかと思います。

まあ、筆者がソニーと相性が悪いことや、キヤノンもニコンも初のフルサイズミラーレスなので、今後は分かりませんが……。


<レンズ資産>

レンズ資産はキヤノンEFマウントレンズ、ニコンFマウントレンズがそれぞれフルサイズミラーレスで使えることを考慮すると、ソニーを上回るかな、と思います。もちろんソニーAマウントレンズがあるのですが、それでもEFマウントとFマウントのほうが多いです。

Canon EOS R
そして、今後のレンズのラインナップがどちらも挑戦的なのも評価したいところです。キヤノンRFマウントには開放F2通しを実現する標準ズームレンズのRF28-70mm F2 L USMやとても明るいRF50mm F1.2 L USM、ニコンではF1以下の明るさを持つNIKKOR Z 58mm f/0.95 S NOCTが出ます。やりすぎ感あるレンズを出してくれるのは個人的に嬉しいです。

一方で、F2.8通しのズームレンズやF1.4クラスの単焦点レンズなどがまだまだ発売されないのはちょっと残念です。マウントアダプターがあるとはいえ、今後「マウントアダプターを使うのがめんどくさい」ってなると思うので、早いうちに出してくれると……またはサードパーティが早く出してくれるのを待つか……。


<シャッター音>

これこそ好みが分かれるところであり、ここを重視する人は少ないと思いますが、筆者はシャッター音で気持ちが分かってくるので結構重視しています(シャッター音があまり好みではないから買わなかったカメラもあります)。

ミラーレス3種だと、個人的な好みはZ6(Z7)>EOS R>α7m3です。

まとめ

スペックを比較しましたが、いかがだったでしょうか。すべてちょろっと触っただけなので、しっかりと比較してレビューとまではいきませんが、それぞれの魅力を感じてもらえればと思います。

ちなみに筆者は3つのメーカーから、ニコンを選びました(Z7)。購入後に改めてレビューをしたいと思います。

だい

コスプレからフィギュア、痛車、さらにはステージイベントなど自称日本一オタクベイントの取材を行うライター。年間100件以上のイベント取材、海外へは月1ペースで行っています。
愛用カメラは富士フイルムとニコン。
Twitter: https://twitter.com/nandakaomo
サイト: http://zakuzaku911.com/

この記事を友達にシェアしよう!

関連記事

ランキング