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ツマミ具依のゼロからはじめる一眼レフ 〜ボケる写真の撮り方を学ぶ〜
2017/11/14 by ツマミ具依
ライター・ツマミ具依が一眼レフを勉強していくこの連載。
第二回は、望遠レンズを使って撮影に挑戦します!
講師は前回同様プロカメラマンの星野先生(@sanmanooazi)です!
ツマミ:
「星野先生、今回もよろしくお願いします!」
星野先生:
「はい! 今回は僕の用意した300mmの望遠レンズを使ってみましょう」
ツマミ:
「つまり標準レンズよりも被写体を大きく写すことができるレンズですね!」
星野先生:
「その通り!」
ぐんと伸びるズームレンズに期待も膨らみます!
どんな写真が撮れるんでしょうか。
では撮影開始です。
まずは望遠レンズを使って高層ビルを撮ってみます!
カシャ
すごーい! タワーの網目までくっきり!! 300mmの望遠で撮ると被写体にここまで寄れるんですね!
星野先生:
「ビルはパターンという撮り方をやってみると面白いですよ」
ツマミ:
「パターン?」
星野先生:
「同じ柄が並んだ模様のことです。ビルを望遠レンズで切り取るイメージで撮影します」
窓が並んだビルに寄って……
できた!
パターン、幾何学的な美しさがありますね!
星野先生:
「いいですね! 反射している白い窓と陰になっている黒い窓が、真ん中で半々になっていたらより美しいですね~」
ツマミ:
「なるほど~光のバランスも模様に反映させると完成度が高くなるんですね」
星野先生:
「望遠のスゴさを実感してもらったら、次は被写界深度について勉強しましょう! 被写界深度とは簡単に説明するとピント面に対してのボケの大きさです。ピント面に対してボケが大きいことを「被写界深度が浅い」、小さいことを「被写界深度が深い」と言います。被写界深度を決める要素の一つにレンズの焦点距離があります。55mmと300mmで同じ写真を撮ってみると違いがわかると思います」
標準レンズ(55mm)
望遠レンズ(300mm)
ツマミ:
「あれ!? 背景が全然違う! 300mmのほうが背景がボケてすっきりしてますね」
星野先生:
「そうなんです。焦点距離が長くなればなるほど、ボケやすくなり、被写界深度が浅くなります。次は背景の距離に注目してみてください」
星野先生:
「標準レンズで青く囲った範囲が、望遠レンズの画角になっています。同じ位置から撮影したのに望遠レンズの写真は被写体と背景の距離が近くに感じませんか?」
ツマミ:
「ホントだ!」
星野先生:
「望遠レンズを使うと、遠くのものが近く見えるんですよ。野球中継を思い出すとわかりやすいかもしれません。バッターボックスをカメラで移すとき、一番反対側、つまりバックスクリーン側のカメラから被写体を拡大して撮影しています。このときの映像では、ピッチャーとキャッチャーってすごく近く見えるじゃないですか」
ツマミ:
「確かに見えますね」
星野先生:
「でも実際は18mも距離があるわけです。これは望遠レンズで距離が圧縮されて見えるんですね」
ツマミ:
「おーそういうことですか! もし望遠レンズじゃなかったら、手前でピッチャーが大きく映って、奥にバッターが小さく移るような画になるわけですか~」
星野先生:
「そうなんです!望遠レンズはボケを作るだけでなく距離感を縮めることができるんですよ。これを『圧縮効果』といいます。参考に僕が撮った写真を紹介しましょう。新宿のビルと富士山がとても近く感じますよね」
ツマミ:
「えー! 新宿と富士山がこんな近くに見える! てか写真が美しすぎる……」
星野先生:
「あと、望遠レンズは遠くから人物と一緒に風景を撮る時に最適なんですよ」
ツマミ:
「あー至近距離で撮ると怪しまちゃいますしね(笑)」
道行く人の足元の撮影に挑戦!
ぐんと被写体に寄って、理想の構図を作れるので楽しい!
タイミングを見計らって……
できました!
先生、こちらいかがでしょう?
星野先生:
「いいですね! 影をうまく使うとより印象的な写真が撮れますよ」
今度は星野先生がお手本を撮ってくれました。
ツマミ:
「わー! 伸びた影が美しい! 落ち葉も映ってきれいですね。星野先生、さすがです!」
星野先生:
「望遠レンズのいいところは、良いシーンだなと思ったときにパッと構えてぐーんと寄って、その瞬間を逃さず撮れるんですよ」
・望遠レンズを使うとボケを強調できる
・背景と被写体の距離感を縮めることもできる
望遠レンズって奥が深い!
ただ遠くのものを撮るだけじゃないんだ~
表現の幅が一気に広がる望遠レンズ、近いうちに買いたいと思います!
4年半のOL生活を経て、現在はフリーライターとして活動。週一で歌舞伎町にてバーテンダーを務める。体を張った企画やレポートを好む。
Twitter:@tsumami_gui_
長野県出身。中学時代、父にカメラを買ってもらい写真を始める。高校時代から空の美しさや四季の素晴らしさに魅了され、空や自然、風景を中心に写真活動を始める。
日本大学芸術学部卒業後、フリーランスとして活動。
Instagram:@sanmanooazi
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