日の丸構図でキメる! 〜初心者でもわかる写真撮影の基礎知識〜

2017/07/26  by 富竹次郎

こんばんは、富竹です。

日の丸構図はシンプルが故に、「初心者は日の丸構図しか撮れない」と揶揄されもする、ありきたりで典型的な構図です。が、日の丸構図ほど、写真の主題が伝わりやすい構図もなかなかないんです。

そんな日の丸構図を、今回は深掘りしていきたいと思います。

関連記事:構図とは 〜初心者でもわかる撮影の基礎知識〜

日の丸構図のおらさい

日の丸構図 イメージ

日の丸構図は、被写体を中心に置く、最もシンプルな構図です。しかし、写真の説得力、安定感は抜群なんです。

初心者向け写真のテクニック本では、日の丸構図を脱却してこんな構図もあるよ、と様々な構図を紹介しています。でもね、トリッキーな構図や雄大に見える構図は、使い所が大事で、汎用性が高くないです。

そんなことより、「なんの写真を撮ろうとしているか」を意識しましょう。

まずは、平凡な日の丸構図の作例を見てましょう。
OPEN 看板 SONY α7II, Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZA
SONY α7II, Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZA

インフォメーション SONY α7II, Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZA
SONY α7II, Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZA

はい、ど定番の日の丸構図です。

印象に残ったものを奇をてらうことなく、そのまま切り取りました。どっしりとした安定感があるのがおわかりでしょうか。

さらにこれを発展させたテクニックを紹介していきたいと思います。

主題だけでなく背景も写し込む

空き缶 SONY α7II, FE 50mm F2.8 Macro
SONY α7II, FE 50mm F2.8 Macro

シーシャ SONY α7II, Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZA
SONY α7II, Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZA

被写体を中心に据えつつ、背景をぼかして写し込むことで、時間や場所のイメージを捉えやすいよう調節してみました。

ただ、「あった、撮った!」という撮り方だけでなく、情景や光の具合もみながら、背景を写しこんであげると、ワンランクアップです。

メインの被写体を匂わせる

バラ SONY α7II, FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS
SONY α7II, FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS

猫 Canon EOS 6D, EF 24-105mm F4L IS USM
Canon EOS 6D, EF 24-105mm F4L IS USM

渋谷 グラフィティ SONY α7II, Sonnar T* 55mm F1.8 ZA
SONY α7II, Sonnar T* 55mm F1.8 ZA

撮影地の全く異なる三枚の日の丸構図の写真をご用意しました。

写真から受ける印象が全く違いますよね。撮影者、被写体、撮影地の個性がダイレクトに出るのも、日の丸構図の特徴なんです。

一枚目の写真は、団地の植え込み植えられた美しいバラの花と退廃的な団地の生活感とのコントラストを表現しました。

二枚目の写真は、沖縄の荒天で朽ちたビル群の中で生活する野良猫と、なんくるないさと生きる沖縄の人たちの力強さを表現しました。

三枚目の写真は、CHELと光るネオンサインにフォーカスして、その影に潜む落書きや荒廃と、右の隅に写る喧騒のコントラストで「渋谷の影」を表現しました。

日の丸構図だからだめだとか、そういうことではないんです。

いまから自分は、なんの写真を撮ろうとしているのか、意識して撮ってみてください。

最後に

この、何を撮るか意識する、というのを無意識にできるようになるととっても上級者です。そうすれば、スマートフォンだろうとセンサーサイズの小さいカメラだろうと、素敵な写真を撮れるようになりますよ。

それでは、楽しいカメラライフを!

初心者でもわかる撮影の基礎知識シリーズはこちらから

富竹次郎

フリーのカメラマン。1988年生まれ。2010年より写真家・水谷幹治に師事し、純喫茶・ドヤ街・商店街など滅びゆく昭和をテーマに作品制作を行う。

この記事を友達にシェアしよう!

関連記事

ランキング