被写界深度とは 〜初心者でもわかる撮影の基礎知識〜

2017/06/6  by 富竹次郎

どうも、デジカメ歴16年のカメラ初心者、富竹です。

今回は、「被写界深度って何?」というお話です。これを理解しておくと、ボケを作ったり、逆に作らなかったりできるようになり、とっても便利ですよ。

被写界深度とは

わかりやすくいうと、ピントが合って見える範囲のことです。浅い、深いといった言い方をします。

Depth of field diagram.png
By Redjar from en.wikipedia.org, CC 表示-継承 3.0, Link

ではでは、百聞は一見にしかず。被写界深度の浅い写真、そして深い写真を載せてみますね。

被写界深度の浅い写真

Canon EOS 6D, EF 100mm F2.8 Macro USMCanon EOS 6D, EF 100mm F2.8 Macro USM

Canon EOS 6D, EF 100mm F2.8 Macro USMCanon EOS 6D, EF 100mm F2.8 Macro USM

ピントの合っている部分が少なく、手前と奥がボケているものが被写界深度の浅い写真です。

被写界深度を浅くするには、できるだけ手前にピントを合わせて絞りを開くのがコツです。F2.8とか、F1.4とかですね。F5.6〜F11などはあまりボケません。

被写界深度の深い写真

Canon EOS 6D, EF 24-105mm F4L IS USMCanon EOS 6D, EF 24-105mm F4L IS USM

Canon EOS 6D, EF 24-105mm F4L IS USMCanon EOS 6D, EF 24-105mm F4L IS USM

こちらは被写界深度の深い写真です。被写界深度が深く、画面の隅々までピントが合っている状態をパンフォーカスとも言います。

被写界深度を深くするには、ピントを無限遠にして絞りをF8以上に絞り込み、ボケないようにしています。

たとえば下の舟の写っている写真で、舟にピントを合わせてF4にすると後ろの山が若干ボケてしまいます。風景写真では、きっちり隅々までピントを合わせたいためにこの時はF10にしました。

被写界深度の使い分け

では、どんなときに被写界深度をコントロールすると良いのでしょうか。喫茶店の写真でトライしてみます。
Canon EOS M5, EF-M 11-22mm F4-5.6 IS  STMEOS M5, EF-M 11-22mm F4-5.6 IS STM

これはお店の外側を撮影した写真です。全体をはっきり写したいので被写界深度を深くしてパンフォーカスで撮っています。ドアに筆者が写り込んでしまっています。恥ずかしい……みなさんも気をつけましょう。

Canon EOS M5, EF 50mm F1.8 STMEOS M5, EF 50mm F1.8 STM

これは紅茶の写真です。紅茶だけを写すために接写し、被写界深度を浅くしました。左後ろの方にシュガーポットなど余計なものが写り込んでいたので、絞りをF1.8に開いてぼかし、フォーカスアウトしました。

Canon EOS M5, EF-M 11-22mm F4-5.6 IS  STMEOS M5, EF-M 11-22mm F4-5.6 IS STM

これは店内の写真です。昔の喫茶店なのか、壁一面にこんな感じでメニューが飾ってありました。全体を写したかったため、パンフォーカスで撮りました。広角レンズはもともとボケにくく、接写しなければパンフォーカスになりやすいです。

まとめ

被写体深度とは、ピントが見える範囲のこと。

食べ物や飲み物、テーブルフォトなど、ひとつだけフォーカスするには絞りを開き、被写界深度を浅く

広角レンズはボケにくい。風景や建物などを写す時は、広角レンズを使い、絞り込んで被写界深度を深く

それでは、楽しいカメラライフを!

富竹次郎

フリーのカメラマン。1988年生まれ。2010年より写真家・水谷幹治に師事し、純喫茶・ドヤ街・商店街など滅びゆく昭和をテーマに作品制作を行う。

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