露出とは 〜初心者でもわかる撮影の基礎知識〜

2017/06/21  by 富竹次郎

こんにちは。隣の建物のせいで常に部屋が暗い富竹です。

今回は写真の基礎、露出についてご説明します。

露出の3要素

Canon EOS Kiss X2 FUJICA ST701, PENTAX Takumar 50mm F1.8, F1.8 1/30 ISO100

露出とは、センサーやフィルムにレンズを通した光を当てること。一言でいうと写真の明るさをコントロールするテクニックです。

写真の明るさは、絞り・シャッタースピード・ISO感度の三つで決まります。

現代のカメラは、カメラ内に露出計という装置が組み込まれており、露出を自動で計算してくれます。それぞれがどんなものか、ざっくり知っておきましょう。


絞り


絞りとは、レンズの中に入る光の量をコントロールすることです。絞り羽根という機構の開閉で調整します。この羽根の開き具合を数値化したものがF5.6やF11などの絞りの数値になります。F1.4, 2, 2.8, 4, 5.6, 8, 11,16, 22…と1.4倍刻みで一段といいます。絞り値が小さいほど明るく、絞り値が大きいほど暗くなります


シャッタースピード


シャッタースピードとは1/250や1/3000などのシャッターを切る速度になります。1/30, 1/60, 1/125, 1/250, 1/500, 1/1000……と2倍刻みで一段といいます。シャッタースピードが遅いほど明るくなり、速いほど暗くなります。シャッタースピードが1/30を下回る1/10や1/4などは手ブレする確立が高いので三脚に立てたりISO感度を上げたりして工夫しましょう。


ISO感度


ISO感度は、100〜1600などのフィルムまたはデジタルカメラのセンサーの光をとらえる能力値になります。フィルムはISO感度が固定で、デジタルカメラはISO感度が可変です。(※使える感度はカメラの機種によります。) ISO100, 200, 400, 800, 1600……と2倍刻みで一段といいます。ISO1600以上は高感度と呼ばれます。高性能なカメラだと高感度ISO12800でもノイズを気にせず撮れるものが出てきましたが、感度を上げすぎると、ノイズが出やすくなります

正しい明るさで撮ろう

いろんなシチュエーションで作例を見てみましょう。
屋外 猫FUJICA ST701, PENTAX Takumar 50mm F1.8, F4 1/250 ISO100

たとえば、晴天の屋外の撮影は、F8 1/250 ISO100がちょうど良いとされています。
この日は曇天のため、晴天より暗いだろうと見込み、絞りをF4まで2段開き、F4 1/250 ISO100で撮りました。

室内 猫FUJICA ST701, PENTAX Takumar 50mm F1.8, F1.8 1/30 ISO100

夜の室内では、部屋の明るさによりますが、F1.8 1/30 ISO100くらいで撮っています。暗くて手ブレしそうなときにISO感度を上げるのがよいです。
もしISO400のフィルムだったら2段シャッタースピードを稼げたのでF1.8 1/125 ISO400にして手ブレを軽減することができたでしょう。

快晴 海OLYMPUS E-420, ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6, F8 1/500 ISO100

快晴なので、シャッタースピードを1/500にして明るさを調整しました。

夕暮れ みなとみらいOLYMPUS E-420, ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6, F4.5 1/15 ISO1600

夕方の日が暮れた時間なので、ISO1600、シャッタースピードを1/15にしてあります。シャッタースピードが遅いので、きちんと構えていないと手ブレします。

露出に失敗するとどうなるの?

では、失敗した写真を見てみましょう。
露出アンダー 海OLYMPUS E-420, ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6, F8 1/4000 ISO100

これは、シャッタースピードが1/4000で速すぎたため、完全に明るさ不足です。こういった失敗を露出アンダーと言います。

露出オーバー 海OLYMPUS E-420, Pentax Takumar 50mm F1.8, F1.8 1/4000 ISO100

これは、絞りがF1.8で開きすぎのため、完全に明るすぎです。こういった失敗を露出オーバーと言います。

正しい露出の状態を、適正露出といいます。適正露出を目指しましょう。

練習のためにマニュアルで

適正露出 犬FUJICA ST701, PENTAX Takumar 50mm F1.8, F1.8 1/30 SO100

プロカメラマンは、体内露出計が訓練されているので、何枚か試写してその場の適正露出を読み取って、マニュアルモード(Mモード)で撮ることがほとんどです。マニュアルモードは絞りもシャッタースピードも手入力して撮るモードです。

練習のために、あえてマニュアルモードで撮ることで、ここは絞りF4のシャッタースピード1/250だなぁ〜と感覚が鋭くなってきます。さきほどからさりげなく出て来るFUJICA ST701は、実は機械式のカメラなので露出計がありません。頭で計算しながら撮っていました。

FUJICA ST701, PENTAX Takumar 50mm F1.8, F1.8 ??? ISO100

さてクイズです。この写真のシャッタースピードはいくつでしょうか? 夕方で昼間より暗い、絞りはF1.8で明るい、ISO100なら……。試しに皆さんのカメラで、似たような状況をシミュレーションしてみてください。

こんなふうに考えながら撮っていくと、メキメキ上達していきますよ。

それでは、楽しいカメラライフを!

富竹次郎

フリーのカメラマン。1988年生まれ。2010年より写真家・水谷幹治に師事し、純喫茶・ドヤ街・商店街など滅びゆく昭和をテーマに作品制作を行う。

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